実りゆく

10月2日(金)より長野県先行公開 10月9日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開

笑顔にしたい、人がいる。

竹内一希 ビジュアル

田中要次 ビジュアル

その他出演者

  • 竹内一希 田中要次
  • 田中永真 橋本小雪 鉢嶺杏奈
  • 島田秀平 小野真弓 三浦貴大
  • 爆笑問題(特別出演)
  • 山本學
  • 監督・脚本 八木順一朗

長野県のりんご農家を舞台に描く父と子の物語

  • @minoriyuku
  • minoriyuku

news

  • 映画「実りゆく」DVDレンタル&配信スタート!
    まだまだ劇場公開が続く中ですが、DVDレンタルと配信がスタートしました!
    以下のサイトから、お楽しみいただけます!
    サイト名をクリックしていただければ該当のページへジャンプします。
    iTunes Google TSUTAYA TV Amazon ビデオマーケット GYAO!ストア DMM
  • TOHOシネマズ上田での舞台挨拶が決定!
    11/27(金)から、長野県上田市のTOHOシネマズ上田にて1週間限定で復活上映が決定!さらに、11/28(土)には、生登壇舞台挨拶が決定しました!
    詳しくはこちら

    11/27(金)から、長野県上田市のTOHOシネマズ上田にて1週間限定で復活上映が決定!さらに、11/28(土)には、生登壇舞台挨拶が決定しました!

    「実りゆく」舞台挨拶(生登壇)

    ■会場:
    TOHOシネマズ上田
    ■日程:
    11月28日(土)
    ■時間:
    10:00の回 上映前登壇
    ■登壇者:
    太田光代(エグゼクティブプロデューサー)/八木順一朗(監督)

    11/25(水)10:00より、チケットぴあにて販売開始!

  • 映画『実りゆく』× GLIM SPANKY主題歌「By Myself Again」スペシャルコラボMVが解禁
    「映画『実りゆく』とコラボしたGLIM SPANKYが歌う主題歌「By Myself Again」のMusic Videoが解禁となりました!
    映画『実りゆく』の映像を使用した今回のMusic Videoは、八木順一朗監督が自ら制作して実現いたしました。
    映画「実りゆく」×GLIM SPANKY 主題歌「By Myself Again」
    スペシャルコラボMusic VideoYouTube
    詳しくはこちら

    【関連サイト】

  • お笑い芸人“鉄拳”さんよりイラスト&コメントが到着
    お笑い芸人の“鉄拳”さんより、主人公・実がりんごを手にしながら、お笑い芸人を目指してステージに立っている姿を描いたイラストが到着いたしました。
    詳しくはこちら
    “鉄拳”さんによるイラスト

    全国公開の10月9日(金)、全国公開を祝い、お笑い芸人の“鉄拳”さんより、主人公・実がりんごを手にしながら、お笑い芸人を目指してステージに立っている姿を描いたイラストが到着いたしました。
    コメントもいただきましたので、紹介いたします。

    【“鉄拳”さん コメント】

    僕の実家の周りにもりんご畑が沢山あって、猛暑日が続いたり台風が来たり大変な事が色々あってりんごの実が育つのを見てきました。
    人の人生も色々あって実がなる。
    そう思い出させてくれる素晴らしい映画でした。

  • 著名人からのコメントが到着!
    テリー伊藤、藤森慎吾(オリエンタルラジオ)、神田伯山、堤幸彦監督、石田亜佑美(モーニング娘。’20)、もう中学生(敬称略)よりコメントが到着しております。
    詳しくはこちら
  • 長野先行舞台挨拶 開催決定!
    10月3日(土)長野グランドシネマズ、松本シネマライツ
    10月4日(日)飯田センゲキシネマズ、伊那旭座、岡谷スカラ座
    まんじゅう大帝国×松尾アトム前派出所×八木順一朗監督 登壇
    詳しくはこちら

    長野県先行公開を記念して、10月3日(土)・10月4日(日)の2日間にわたり、長野グランドシネマズ、松本シネマライツ、飯田センゲキシネマズ、伊那旭座、岡谷スカラ座にて、まんじゅう大帝国<竹内一希、田中永真>×松尾アトム前派出所×八木順一朗監督が登壇する公開記念舞台挨拶を開催することが決定いたしました!
    チケット発売等詳細は上映劇場の公式HPをご覧ください。

    ※チケットは売り切れ次第終了となりますので、ご了承ください。

    <映画『実りゆく』長野県先行公開記念舞台挨拶>

    ■日程:
    10月3日(土)
    ■登壇者:
    まんじゅう大帝国<竹内一希、田中永真>、松尾アトム前派出所、八木順一朗監督(予定)
    ※登壇者は予告なく変更になる場合がございますので予めご了承ください。
    ■劇場・時間・劇場HP:
    1箇所目・長野グランドシネマズ(長野県長野市権堂町1506)
    10:20の回 上映後舞台挨拶
    http://www.grandcinemas.net
    2箇所目・松本シネマライツ(長野県松本市高宮中116−2)
    12:50の回 上映後舞台挨拶
    http://cinema-lights8.com
    ■日程:
    10月4日(日)
    ■登壇者:
    まんじゅう大帝国<竹内一希、田中永真>、松尾アトム前派出所、八木順一朗監督(予定)
    ※登壇者は予告なく変更になる場合がございますので予めご了承ください。
    ■劇場・時間・劇場HP:
    1箇所目・飯田センゲキシネマズ(長野県飯田市中央通り1丁目5)
    10:00の回 上映後舞台挨拶
    http://www.sengeki.co.jp
    2箇所目・伊那旭座(長野県伊那市荒井錦町3400)
    13:00の回 上映後舞台挨拶
    https://asahiza.jpn.org
    3箇所目・岡谷スカラ座(長野県岡谷市中央町2丁目4−14)
    14:50の回 上映後舞台挨拶
    https://userweb.alles.or.jp/scalaza/
  • 映画の本予告編が解禁!
    劇場公開に先立ち、本予告編が解禁になりました。
    お笑い芸人志望の主人公・実は、りんご農家を営んでいる父親に夢を反対され、芸人仲間のエーマとも喧嘩をして八方塞がりとなっていく中、農家を継ぐべきか夢を追うべきか・・・揺れる心模様が描かれております。
    詳しくはこちら
  • 映画の主題歌
    映画の主題歌を長野県下伊那郡出身の男女二人組ロックユニットGLIM SPANKYが担当!今にも青空に届きそうな澄んだ歌声が心地よい楽曲となっております。
    詳しくはこちら
  • タイトル題字を爆笑問題太田光が執筆!
    太田光執筆風景
    本編にも本人役で特別出演する爆笑問題の太田光が、八木監督のためにタイトル題字を執筆いたしました。
    詳しくはこちら

    【太田光 コメント】

    書く前日にナイアガラの滝に打たれ心を清め、心の中で「波濤万万にして、雲山幾千ぞ。来ること我が力に非ず、帰ること我が志に非ず」と唱えつつ一息に書いた。

  • 全国映画公開を支援するクラウドファンディングがスタート!
    舞台である長野と東京をメインに映画公開を予定しておりますが、全国、さらに世界へ届けるための支援を募集するクラウドファンディングを6月12日(金)よりスタートいたします。
    詳しくはこちら

    MotionGalleryにて実施させていただき、支援を頂いた方には、映画エンドロールへのお名前記載や本編に登場する長野県のりんご、主題歌を担当する長野県出身アーティストのサイン入りポスターなど、様々な御礼を準備しております。

    〈クラウドファンディング プロジェクトページ〉
    https://motion-gallery.net/projects/minoriyuku
    〈実施時期〉
    2020年6月12日(金)0:00~2020年9月11日(金)23:59

trailer

  • 本予告

  • 30秒予告

introduction

映画「実りゆく」 それは1本の予告編から始まった…。

堤幸彦監督、大根仁監督らを擁する、オフィスクレッシェンドが主催する「MI-CAN 未完成映画予告編映画大賞」。未だ存在しない映画の予告編だけを制作し、グランプリには映画化の権利が与えられるという企画。2018年に開催された、第三回大会に出品された作品が「実りゆく長野」だった。
監督は芸能事務所タイタンのマネージャー、主演は若手漫才師“まんじゅう大帝国”の竹内が務めるという異色作だった。

結果は、惜しくもグランプリを逃すものの“堤幸彦賞” と“MI-CAN男優賞”を受賞。
結果が発表されるやいなや、本編を望む声が多数寄せられ、タイタンの代表太田光代の手により、ついに映画化が決定した。主演は予告編に続き、まんじゅう大帝国が務め、監督もマネージャーの八木が続投。

田中要次、三浦貴大、小野真弓、山本學といったベテラン俳優陣も集結。さらに本人役として、島田秀平や爆笑問題も出演!撮影は、長野県下伊那郡松川町のりんご農家で敢行!!
2020年、秋。“りんご”と“笑い”の魅力が詰まった映画が、スクリーンを彩ります!

story

長野県下伊那郡、松川町。代々続くりんご農家の後取りとして生まれた実(みのる)。
母親の死後、父親と二人で農園を切り盛りする彼は、週末になると、独り東京に出向き、お笑いライブに出演していた。生まれつき吃音を持つ実だったが、芸人として舞台に立つ時だけは流暢に喋れた。自分の喋りで人を笑わせている瞬間が、何よりも幸せだった。実(みのる)は、りんご農家として生まれつつも、お笑い芸人になるという夢を抱いていた。

しかし、りんご農家を継ぐ者には25歳になる年に、ある大切な儀を行わなければならなかった。それは、町を納めるりんごの神様に挨拶をし、一人前のりんご農家として認めてもらう奉納祭だった。奇しくも、実が受ける奉納祭の日は、「WAGEIグランプリ」と呼ばれる、お笑い芸人なら誰もが目指すべき超大会と同じ日。
笑いに進むのか?りんごを継ぐのか?実の人生のタイムリミットは、刻一刻と迫っていた。

なぜ実は、そこまでしてお笑いに突き進むのか?そこには、“母親の死後、笑顔を失った父親を笑顔にしたい”という強烈な想いがあった。母は生前、“実にしかできないことを、一生かけて実らせなさい”と実に説いていた。
”父さんに笑って欲しい”
それは、実が、実にしかできないことだと、胸に秘めていた想いだった。

そして迎える運命の日。

実は、想いを、夢を、実らせることができるのか?

cast

竹内一希(まんじゅう大帝国)
竹内一希近影
1994年生まれ、東京都出身
日本大学藝術学部卒業。在学中は日本大学藝術学部落語研究会に所属。
第12/13回全日本落語選手権、「策伝大賞」決勝選出
2016年6月コンビ結成、2017年4月デビュー。
結成直後の「M-1グランプリ2016」にて、アマチュアながら、3回戦進出を果たし話題を集めた。また、竹内は演技力の高さにも定評があり、役者としても活躍中!「行列の女神~らーめん才遊記~」(2020 テレビ東京)「特命!おばさん検事 花村彩乃の事件ファイルSpecial」(2019 テレビ東京)「ウルトラマンR/B」(2018 テレビ東京)SEA BREEZE WEBCM「Poolside Desteny」(2018)ほか多数出演
田中要次
田中要次近影
1963年生まれ、長野県出身。
1989年山川直人監督「SEEK AND FIND」でデビュー。その後、撮影スタッフとして、映像の世界に関わりながら、徐々に活躍の場を広げていく。
2001年のドラマ「HERO」のバーテン役で注目を集める。以降、独特の存在感で、数多くの映画やドラマ、CMに出演。近年の出演作として、映画「蠱毒 ミートボールマシン」(2017)、「愛しのアイリーン」(2018)、「裏アカ」(2020)など。ドラマでは、NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」、テレビ大阪「面白南極料理人」、日本テレビ「あなたの番です」など。
田中永真(まんじゅう大帝国)
田中永真近影
1993年生まれ、北海道出身
函館ラサール高校卒業。東京理科大学中退、在学中は東京理科大学落語研究会に所属。
2020年3月には、国立演芸場令和元年度「花形演芸大賞 」銀賞をコンビで受賞。
出演番組 にはフジテレビ「ENGEIグランドスラム」「笑レース」、テレビ東京「日曜ちゃっぷりん」、TBSラジオ「マイナビラフターナイト」 ほか多数
橋本小雪(日本エレキテル連合)
橋本小雪近影
1984年生まれ。兵庫県出身。2008年に日本エレキテル連合としてデビュー。見るものにトラウマを与える狂気のキャラクターコントで、多くのファンを抱えるコンビ。2015年には“ダメよ〜ダメダメ!”で新語・流行語大賞の年間大賞を受賞。橋本は女優としても活動中「忘れてしまう前に想い出してほしい」(2017 RKB毎日放送)「私のおじさん」(2019 テレビ朝日)「ひみつ×戦士 ファントミラージュ!」(2019 テレビ東京)ほか、多数出演
鉢嶺杏奈
鉢嶺杏奈近影
1989年生まれ、東京都出身。1998年芸能界デビュー。主な出演作に、映画「風と大地と梨の木と」(2012)、「進撃の巨人」(2015)。ドラマには「DOCTORS 3 最強の名医」(2015 テレビ朝日)、「おかしな刑事20」(2019 テレビ朝日)などに出演。ほか、バラエティ番組にも多数出演中。
島田秀平
島田秀平近影
1977年生まれ、長野県出身。ホリプロコム所属。1996年お笑いコンビ「号泣」としてデビュー。 2002年「原宿の母」に才能を見出され占いの修業を始め、2007年には“代々木の甥”を襲名。 2008年コンビ解散後、 “手相芸人”としてテレビやラジオ、雑誌など多方面で活躍。 その分かりやすい手相の解説はお茶の間でも人気に。手相占い関連の書籍は累計100万部を超える。怪談・都市伝説にも精通しており、公式youtubeチャンネル「島田秀平のお怪談巡り」の登録者数は13万人を突破。
小野真弓
小野真弓近影
1981年生まれ、千葉県出身。1999年テレビ朝日「はぐれ刑事純情派第12シリーズ」でデビュー。2002年からは「アコム」のCMに出演し一躍人気に。ドラマでは「ムコ殿2003」(2003 フジテレビ)、「コスメの魔法」(2004 TBS)、「コスメの魔法2」(2005 TBS)、七人の敵がいる~ママたちのPTA奮闘記~」(2012 東海テレビ)、「明日もきっと、おいしいご飯~銀のスプーン~」(2015 東海テレビ)レギュラーほか出演多数。映画では「クレーマー case2」(2008)、「ちいさな恋のものがたり」(2008)主演、「探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。」(2017)など。
三浦貴大
三浦貴大近影
1985年生まれ、東京都出身。 映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(2010)で俳優デビュー。この役で、第35回報知映画新人賞、第34回日本アカデミー賞ほか新人賞を受賞。 以降、映画・テレビ・舞台で幅広く活躍。近年の主な出演作に「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」(2015)「のみとり侍」(2018)、「3D彼女 リアルガール」(2018)、「ゴーストマスター」(2019)ほか多数。
爆笑問題
爆笑問題近影
1988年結成。 以後、テレビ、ラジオを中心に活躍し、NHK新人演芸大賞、国立演芸場花形演芸会銀賞、ゴールデン・アロー芸能賞、芸術選奨文部科学大臣賞、ギャラクシー賞などを受賞。
数多くのテレビ・ラジオ・雑誌連載のレギュラーを抱えながらも、偶数月に開催されている「タイタンライブ」には必ず出演し、毎回新ネタの漫才を披露している。最近では「タイタンシネマライブ」として全国20館のTOHOシネマズで生中継をしている。
山本學
山本學近影
1937年、大阪府出身。俳優座養成所を卒業後、59年から劇団新人会に所属。その後、演劇だけでなく映像作品にも活動の場を広げ、映画「刺青」や「雁」(1966)、「戦争と人間」2部作(1970,1971)、TVドラマ「白い巨塔」(1978〜79)などに出演。映画「四十七人の刺客」(1994)、「梟の城」(1999)、「永遠の0」(2013)などでも活躍する。93年に舞台「狩金屋草紙の市之丞」と「晩菊」で第18回菊田一夫演劇賞を受賞。

song

GLIM SPANKY
GLIM SPANKY近影
長野県下伊那郡出身の男女二人組ロックユニット。ハスキーでオンリーワンな松尾の歌声と、ブルージーで情感深く鳴らす亀本のギターが特徴。2007年結成、2014年メジャーデビュー。2018年日本武道館ワンマンライブ開催。同年、「FUJI ROCK FESTIVAL」GREEN STAGE出演。ドラマや映画、アニメ等の主題歌を多数手掛け、最近ではももいろクローバーZや上白石萌音への楽曲提供も行なっている。

新曲「By Myself Again」に対して

★松尾レミ(Vocal & Guitar)★
新しい目標を追う為に、家族や友達に別れを告げたり、新しい自分になろうとしたり、そんな日々の葛藤や愛情や切なさを暖かくフォーキーなサウンドに乗せて曲を作りました。色々な人に色々な捉え方で届けばいいなと思います。映画にもぴったりの曲が完成しました。ぜひ沢山聴いてください。
★亀本寛貴(Guitar)★
地元の風景をイメージしながら作ったらカントリー調の曲になりました。素朴で温かみのあるサウンドから僕らの地元の空気を感じていただけたら嬉しいです。

staff

監督 八木順一朗
八木順一朗近影
1988年生まれ 岐阜県出身
幼少期に観た怪獣映画の影響で、映画監督を志すようになる。中学2年で、家庭用ハンディカムを用い、初めて映画を制作。以降、高校卒業までに計13本の作品を制作する。
その後、日本大学藝術学部映画学科監督コースに進学。大学の卒業制作で監督した映画を機に、現在の勤務先 株式会社タイタンに入社。以降、爆笑問題、橋下徹、辻仁成、太田光代などのマネージャーを務める。
2016年には、マネージャーとしてテレビ朝日「お願い!ランキング ゴジラファンNo.1決定戦!」に出場。視聴者投票でゴジラファン1位の座を獲得した。
同じ頃、社内での映像制作事業に着手。日本エレキテル連合、脳みそ夫、まんじゅう大帝国など、若手芸人のライブ映像や、DVD収録用のショートフィルムを制作し始める。
2016年以降は、NHK「みんなの2020!バンバンジャパーン!」TBS「一番だけが知っている!」テレビ東京「新・美の巨人たち」など、社外のテレビ番組の制作ディレクターとしての活動をスタートさせる。
2018年「第3回MI-CAN 未完成映画予告編大賞」で、監督作「実りゆく長野」が堤幸彦賞を受賞、その後本編の制作が決定した。本作が、念願の初監督作品となる。

column

実りゆくDiary

# 10/9(金)全国公開初日に寄せて
長野県での先行公開から1週間。
本日、映画「実りゆく」は全国で公開させていただくことができました。

今まで作品を支えてくださった全ての方々、そして、作品を楽しみに待ってくださっていたお客様に、今一度、感謝申し上げます。
一時は、コロナの影響で、公開さえも危ぶまれている状況でしたが、こうして初日を迎えることができましたのも、携わっていただいた皆さまのおかげ、そして、りんごの神様が導いてくださったものだと感じています。

この作品が、全ての方にとって“実りゆく”作品となることを祈っています。
今日まで本当にありがとうございました。そして、これからもまた宜しくお願いします。
2020年10月9日
「実りゆく」監督 八木順一朗
#15 長野県先行公開日に寄せて
2019年10月12日。
台風19号が長野県を直撃しました。僕は、映画の撮影に向け、毎日のように長野と東京を往復しているところでした。

撮影地の松川町は大きな被害が無かったものの、長野県内では千曲川が氾濫し、りんご農家の方々に甚大な被害が出ていました。
僕達は、報道されるニュースに心を痛めると同時に、どうにかして映画の力で、長野のりんご農家を盛り上げられないものかと考えていました。

クランクイン直前だったため、直接何かができるわけではありませんでしたが、まずは、この作品を無事に撮り終え、”メイドイン長野”のりんご映画として全国で公開することこそが、僕の出来る最大の復興支援になるのでは無いかと思いました。

そして映画は、いよいよ本日10/2に長野県内で先行公開を迎えます。この作品が、りんご農家の、そして、見ていただいた方にとって、希望の作品になれば良いと願っています。
「実りゆく」監督
八木順一朗
#14 撮影前夜
皆さまのご尽力のお陰で、キャストも、ロケ地も全て決まり…あとはいよいよクランクインを待つばかりになりました!

2019年10月‥
松尾さんと2人で走り始めた長距離マラソンも、まんじゅう大帝国、エレキテル、爆笑問題さんを始めとするタイタンメンバーが加わり、田中要次さんや三浦貴大さん、山本學さんらの超豪華俳優陣が加わり、そして、“風神雷神コンビ”率いる、プロの映画人集団が加わり、更には、下伊那が生んだのスーパースタGLIMSPANKYまでも加わり‥
気がつけば、僕と松尾さんの元には、これほどまでに素晴らしい方々が、沢山集まって来てくれていました。撮影に至るまで、誰一人欠けても、クランクインを迎えることは出来なかったと思います。「実りゆく」に集まって来てくださった方々に、本当に、心から、感謝を申し上げます。

そして迎えた、2019年10月20日。
「よーい、ハイ!」の掛け声と共に、映画「実りゆく」は、いよいよ動き出しました。

ここからは、映画の裏側に隠された、波乱万丈の撮影記をお話ししていくことにしましょう。
「実りゆく」監督
八木順一朗
#13 “竹を割ったような面白さ”
10月のクランクインに向け急ピッチで準備を進めている「実りゆく」プロジェクト。予算やスケジュールが具体的になるにつれ、佐藤プロデューサー、山口監督補の“風神雷神コンビ”により、あらゆるものが削減されはじめました。

映画撮影においては、登場人数や撮影シーンが多くなればなるほど、その分撮影の負担は大きくなります。
そんな時は、役割が似た登場人物を1つのキャラクターに融合することで、人数を減らしたり、1つのロケ場所を別場所に見たてて撮影することで、移動のロスを省いたりします。今回も、撮影前のブラシュアップにより、苦渋の決断ではありましたが、登場人物も、ロケ場所も一気に減りつつありました。

そんな時、敬愛するタランティーノ監督の最新作「ワンスアポンアタイムインハリウッド」を劇場に見に行きました。今までのタランティーノ史上最高傑作かと思うほど楽しく面白かったのですが、三時間近い本編は、物語の本筋と関係ないキャラクターやシーンが暴れまわり、今、まさに自分が言われていることの真逆の世界に、倫理観がぶっ壊れそうになりました。

“無駄を削ぎ落とし、本当に必要な部分だけを撮れ!”と迫る風神雷神と、“本筋と関係ない部分が作品を広げるんだ”とハリウッドの巨匠が猛烈に戦い、何度も何度も脚本を書き直していました。そんな僕の姿を間近で見ていた松尾さんは、「八木さん、色々事情あるけどさ、とにかく“竹を割ったように面白い”映画にしましょうよ!」それはまさに!普段、僕が、大巨匠黒澤明監督の作品を見て感じていることでした!“竹を割ったような面白さ…”その松尾さんの言葉で、僕は目指すべきものが見えた気がしました。
シンプルかつ大胆に!僕は、映画を実らせるべく、再び速度を上げました。

その時既に9月の頭。
クランクインはすぐそこまで迫っていました。
「実りゆく」監督
八木順一朗
#12 落雷に次ぐ、落雷!
りんごが実るスケジュールまで、残り3ヶ月。無事クランクインを迎えるべく突き進む僕に、ある日、松尾さんから映画の主題歌のことで相談があると言われました。
僕は撮影準備に必死だったため、主題歌のことなど考えもしなかったのですが、松尾さんは「地元に有名な歌手がいるから、お願いしてみるのはどうか?」と言い出したのです。長野の地方で有名な歌手…演歌歌手かな?くらいで思っていた僕ですが、松尾さんの口からその方々の名前を聞き、度肝を抜かれました。その名は…

GLIM SPANKY!!

日本どころか、世界的なアーティストで、実は、僕も大好きなお2人でした。
“まさに神様のお導き!”僕は稲妻に打たれるほどの衝撃を受けると同時に、何がなんでも主題歌をオファーしたいと思いました。

それから間も無く、オフィスクレッシェンドのプロデューサーさんを通じて正式にお願いをしたところ、「ふるさとの映画ですし、お受けします」と快諾!あまりにあっさりご快諾いただけて、嬉しさのあまり、またもや稲妻が!
こうして、二度の落雷を経て、映画の主題歌は、伊那谷が産んだスーパーロックユニット!GLIM SPANKYさんに決まったのでした。

屈強なプロスタッフさんが映画に加わり、地元のスーパースターが映画のために曲を書き下ろしてくれる…まだまだ不安要素はありますが、僕と松尾さんは、2人でこっそり祝杯を上げました。しかし、うかれてばかりはいられませんでした。
クランクインまで2ヶ月‥予算、スケジュールが具体的になるにつれ、風神雷神による怒涛の脚本縮小作戦が始まるのでした!
「実りゆく」監督
八木順一朗
#11 風神雷神降臨!
時間がない、お金がない、人がいない…という絶体絶命の状態でも、なんとか走り続けている「実りゆく長野」プロジェクト!僕と松尾さんの2人で走っていた長距離マラソンは、2019年7月を超えたあたりから、少しずつ好転し始めます。

“今すぐにでも助けて下さい!”とお願いした山口監督補と佐藤プロデューサーから、なんと!OKをいただき、映画ド素人の僕と松尾さんの元に、正式にプロの映画人が加わることになりました。
クランクインまで3ヶ月というタイミングで入っていただいた山口監督補、佐藤プロデューサーは、時間がない中でも、なんとか映画を実らせるべく、撮影スタッフ、照明スタッフ、録音スタッフ、制作スタッフなど…あっという間に総勢40名ほどの「実りゆく」のスタッフを招集。通称「八木組」を結成!
さらに、主演のまんじゅう大帝国竹内くん以外、ほぼ決まっていなかったキャスト陣も、父親役に田中要次さん、母親役に小野真弓さん、先輩役に三浦貴大さんと…僕の第一希望の方々をどんどんとキャスティング!
さらには、ロケでお邪魔する松川町の町長、お祭りの場面で登場する保存会や、商店街など、ロケーション決めに関しても怒涛のローラー作戦を展開!一気に地盤が固まりました。
無事にクランクインを迎えるべく突き進む山口監督補、佐藤プロデューサーは、まさに風神雷神のごとく猛々しく、神々しく見えたのでした。

“これでやっと、ちゃんと映画が撮れるかもしれない!”
ありとあらゆる心配を2人で抱えていた僕と松尾さんは、少しだけ胸をなでおろしました。しかし、これは怒涛の快進撃が幕を開けにすぎませんでした。
「実りゆく」監督
八木順一朗
#10 人がいない
引き続き、急ピッチで準備を進めている「実りゆく長野」映画化プロジェクト!
松尾さんの尽力により、松川町でのロケ場所が決まり始め、脚本のりんごの描写が深くなり始めたものの…スタッフは、いまだに僕と松尾さんしかいませんでした。
“このプロジェクトを俯瞰で見て、引っ張っていく人がいないと途中で倒れてしまう…”僕は、そんな不安を抱えていました。
何人か知り合いの映画プロデューサーさんに相談をしてみましたが、「クランクインまで4ヶ月なんて無理だよ!」「こんな少ない予算じゃ撮れないよ!」「大体企画自体が弱すぎるよ!」散々なことを言われ、全て断られてしまいました。しかし、りんごは待ってくれません。
そんな時、頭をよぎったのは、以前爆笑問題の太田さんが監督した、オムニバス映画「クソ野郎と美しき世界」でお世話になった、geeksightという制作会社の佐藤プロデューサー、そして、山口監督補でした。2人は、映画界で歴戦を戦い抜いてきた猛者でした。
よくわからない新人監督のデビュー戦で、野武士のように屈強な2人にお願いをすることは、大変失礼とは思いながらも、ご相談をさせていただきました。

りんごが赤く実るまで、あと4ヶ月弱…僕は、それくらい、余裕がありませんでした。
しかし、この後、プロジェクトは少しづつ、軌道に乗り始めるのでした。
「実りゆく」監督
八木順一朗
#9 お金がない
引き続き、急ピッチで準備を進めている「実りゆく長野」映画化プロジェクト!
実はオフィスクレッシェンドさんとの打ち合わせ時に、僕は「実りゆく長野」を映画にした場合、どれくらいの予算がかかるかを簡単に試算し、提出しました。可能な限りのスタッフを大学時代の同級生や知り合いに依頼、そしてキャストもタイタンメンバーで固め、ロケ地はほとんどが松尾農園…。ミニマムな予算表を提出しました。
それは、自主制作に毛が生えたレベルの予算表でしたが、決して安い金額でもありませんでした。

よく、映画の最後に「◯◯製作委員会」というクレジットが出ますが、あれは複数の企業が製作費に出資し、1本の映画を動かしているというものです。当然、参加する企業が多ければ多いほど、一社あたりの負担は少なくなります。
ただ、「実りゆく長野」に関しては、現時点でタイタンとオフィスクレッシェンドしか集まっていませんでした。僕は少しでも2社の負担を減らすべく、タイタンとして、また僕個人として馴染みの会社に出資、協賛の打診に走り回り、頭を下げつづけました。しかし、芸能事務所のマネージャーが監督するなどという”博打映画”にはなかなか乗ってくれませんでした。

“もし、本当にどの企業も出資をしてくれなかったらどうなってしまうのか?”パッと横を見れば、呑気にヘソのゴマを掃除している松尾さん!僕は、自分に喝を入れ、松尾さんを引きづりながら、走り始めました。
「実りゆく」監督
八木順一朗
#8 時間がない
社長の「よし、やってみるか!」の一言で動き始めた「実りゆく長野」映画化プロジェクト!企画は、予算、キャスティング、スタッフなど、様々なものが不確定な中で走り出していました。
しかし、実は、唯一絶対的に決まっているものがありました。

それは“りんごのスケジュール”です。

りんごが主役の物語においては、真っ赤に実ったりんごは不可欠。どんな大御所の役者さんのスケジュールよりも、まずはりんごのスケジュールで、撮影期間が決まりました。
松尾さんと相談し、りんごの王様“ふじ”が赤く色づき始める頃…10月の中盤~末にかけて撮影しようということになりました。

”今年を逃すと、次に撮影できるチャンスは来年になってしまう‥”
しかし、この時すでに6月頭。
10月の半ばにクランクインするためには、もう4ヶ月しかありませんでした…。

”りんごは待ってくれない。”
僕と松尾さん 対 りんごの、耐久レースが始まったのでした。
「実りゆく」監督
八木順一朗
#7 相棒は松尾
太田社長とオフィスクレッシェンドの方の打ち合わせの後、正式にスタートした映画制作。
通常、映画を制作するにあたっては、制作費を出す出資者がいて、制作の実務を請け負う制作プロダクションという会社が入ります。映画が動き出すタイミングでは、予算はどれくらいで、どんな役者さんが出て、どれくらいの期間で撮って…と綿密な設計図を立ててから、制作に入ります。
しかし、今回、「やってみますか!」という勢いだけで始まった企画。何もかもが未決のまま動き始めました。

決まっていることは、松尾さんの人生をベースに、長野県松川町で、りんごとお笑いの映画を撮ることだけ!りんごが実る10月に撮影するべく、急ピッチで準備が始まりました。

まずは、ロケ地となる松川町の町長に映画制作のご報告、その後は、りんご映画ということでJAの地区長にロケのサポートのご相談、さらには、神社や農園、商店街など、松川町の方々を映画のロケ地としてお願いに回る日々…
その間、松尾さんはマネージャーである僕を車で送迎し、ご挨拶のアポを取り、コーヒーを淹れてくれ…ある時、「おい!俺、マネージャーのマネージャーやってんじゃねぇか!どういうことだよ!」と怒鳴り散らかされました。

しかし、プロデューサー不在の今、僕が頼れるのは松尾さんだけ!
映画制作素人の2人による、前代未聞のポンコツ映画街道が幕を開けたのでした。
「実りゆく」監督
八木順一朗
#6 起死回生の大逆転
幸運にも、堤幸彦監督の賞と、MI-CAN男優賞を受賞した「実りゆく長野」。
4月に行われたタイタンライブには、オフィスクレッシェンドの事務局の方々が賞状を持って、お祝いに来てくれました。男優賞を受賞した竹内くんと共にいただいた賞状は、立派な額に入り、ずっしりと重みを感じるものでした。

その際、事務局の方は「グランプリだけが全てじゃないです。何か、考えましょう」と言ってくださいました。すると、その時近くにいた太田社長がすっと近づいてきてこう言いました。「実は、私も考えていたの。ちょっと打ち合わせしませんか?」僕の体にイナズマが走りました。「何かが起こるかもしれない!」

後日、太田社長、クレッシェドの事務局の方、僕で打ち合わせがありました。僕は良くも悪くも、物事が相当大きく動く打ち合わせだと腹をくくり、決死の思いで打ち合わせに臨みました。
打ち合わせは、「実りゆく長野」を映画化すべきかどうかというものでした。事務局の方々は「グランプリ作品ではないですが、サポートします!是非、映画にしましょう!」とおっしゃってくださりました。しかし、社長は黙ったまま…
胃がキリキリするような緊張感の中、ゆっくりと社長が口を開きました。「私もね、この予告編の続きが見たかったのよ。」そして、社長が僕の肩をポンと叩きました。「せっかくだから、やってみるか!」それこそ、夢が動き始めた瞬間でした。
「実りゆく」監督
八木順一朗
#5 未完の結果
予告編「実りゆく長野」は出品後、順調に一次審査、二次審査と勝ち進み、最終審査へと進みました。総勢200以上のライバルとの戦いに耐え、ラスト数作品にまで絞られました。

小学生の頃から夢見ていた“映画監督”という職業。マネージャーとして既に10年近く働いていた僕は、「今、監督になるなら、何かのコンテストで賞を獲って、いきなり監督になるしかない!」と思っていました。
そうして挑んだ未完成映画大賞…

2019年4月8日11時50分。
結果が発表!「実りゆく長野」は…グランプリを獲ることができませんでした。

“人生を賭けた”といっても過言ではないこの作品がグランプリを獲れず、僕は目の前が真っ暗になっていました。

すると、すぐに太田光代社長から電話が来ました。
「賞を受賞したらしいじゃない。監督としては惜しかったけど、竹内くんに男優賞を獲らせたのは、マネージャーとしては100点よ!」
最終結果が発表される数日前にちらっと社長に話したこの大会のことを、社長は覚えていて、気にかけてくれていました。

「実りゆく長野」は、グランプリを逃したものの、堤幸彦賞を受賞。さらに主演の竹内くんは、男優賞を受賞しました。

“きっと誰かが、どこかで見ていてくれる…”

堤幸彦監督とは、その後不思議なご縁に恵まれることになりました。
それはまた後日…
「実りゆく」監督
八木順一朗
#4 未完成の完成
2018年10月末に撮影した「実りゆく長野」は11月末の締め切りに向け、急ピッチで編集作業を行いました。

しかし、必死に撮影した作品も、改めて編集し始めると、「あれ?もっと良かったと思っていたのに…」「あれ?こんなはずじゃない…」と、どんどん落胆していきます。

撮影から数日、僕は、想像と違う出来上がりに“プチ鬱”状態になっていました。“どうすれば良くなるのか?”毎日、そのことばかり考えていました。
ひどい時は、電車を待っている駅で、目の前に電車が来ていても気づかず、何台も通り過ぎ、数十分してハッとするというような状況もありました。僕はそれほど、作品をどう編集して、どう良きものにしていくかに悩んでいました。

ある日、煮詰まった僕は、今まで編集した素材を全てを捨て、新たに、本当に必要なものだけを繋ぎなおしました。すると、驚くほどシンプルなものが出来上がり、驚くほどストレートに訴えるものが出来上がりました。これだ!“予告編”という短い時間の中で語るべきは、“作品の軸”のみだと確信しました。

それから数日、完成した「実りゆく長野」は無事、映画祭に出品されました。そのことを松尾さんに報告すると、「良かったですね。」と素っ気ない返事が。後から分かったことですが、松尾さんは「実りゆく長野」が一次審査あたりで落ちると思っていたのです!
その5ヶ月後、まさか、あんな結果になるとは!
「実りゆく」監督
八木順一朗
#3 未完成の途中
2018年10月末、予告編映画「実りゆく長野」の撮影が始まりました。
撮影は、長野県松川町。松尾アトム前派出所さんの実家の農園。出演者は、通称“八木ファミリー”と呼ばれる、瞬間メタルの山口さん、ばっこーさん、宮地大介さん、そして、まんじゅう大帝国の竹内くん。

“すごいものを作ってやる!”と意気揚々と撮影に挑む僕でしたが、一つ大きな問題が立ちはだかっていました。それは、製作費が全くなかったことです。映画でよく見るような、カメラが上から降りてきたり、横に移動したり‥そんな画が撮りたいけど、お金は無い!どうすればいいのか!?

そんな時、ふと、りんごの作業をしている松尾さんを思い出しました!そうだ、農業機械を撮影機材のように使えば、うまくいくんじゃないか!?
例えば、予告編冒頭。りんごの横からぐーっと下にカメラが降りていくショットがありますが、実はあれは、りんご用の高所作業機に乗って、降下しながら撮影しました。
さらに松川町の看板が映るショットでは、軽トラの窓を開けて、移動しながら撮影。さらにさらに、父親が実にりんごを投げるクライマックスでは、りんごを運ぶ荷車の上にカメラを乗せて撮影しました。

すると、0円で撮影したとは思えない、見事な画が撮れたのです!お金は無かったですが、みんなで知恵を出し、協力しながら撮影したのが、予告編映画「実りゆく長野」でした。

撮影後、父親役の宮地大介さんは、松尾農園の夕食として出された松茸ご飯を4杯食べ、松尾さんのお母さんに「もうこれ以上食べないでくれ!」と怒られて、松川町を後にしました。
「実りゆく」監督
八木順一朗
#2 未完成の始まり
ご存知の方も多いとは思いますが、この作品は、「実りゆく長野」という予告編から始まりました。2018年に開催された未完成映画予告編大賞という映画祭に出品された作品です。

予告編は2分半しかないですが、予告編を撮る時には既に2時間の脚本が出来上がっていました。というのも、未完成映画予告編大賞は、予告を出品する際、同時に脚本も提出しなければいけないという規定がありました。

僕は、予告編を撮影する半年以上前から本作のモデルとなった松尾アトム前派出所さんにりんごの知識や、経験を学び、脚本に入れ込んでいきました。
しかし、その最初は、情けないものでした。
高円寺の小さな居酒屋で、脚本の第一稿を読んだ松尾さんは、「八木さん!脚本の中で、12代続くりんご農家って書いてますけど、日本のりんご農家はせいぜい4.5代ですよ!りんごの歴史塗り替えないで下さい!」「八木さん!スプレー散布機は、コンセント挿したら動くみたいに書かれてますけど、エンジンで動きますから!農業機械ナメないで下さい!」「八木さん!長野のりんご農家は、青森のりんご農家を敵対してるみたいに描いてますけど、リスペクトしてますから!ちゃんと取材してくださいよ!」初回はダメだしオンパレードでした‥松尾さんの指導がなかったら、嘘っぱちりんご映画が出来上がるところでしたが、松尾さんの熱心な指導の甲斐あって、嘘の無いりんご映画の脚本が出来上がっていきました。そして、そこから、良い部分だけを切り出して撮影したのが「実りゆく長野」だったのです。

次回は、その未完成の予告編撮影秘話をご紹介します。
「実りゆく」監督
八木順一朗
#1 公開まで2か月
映画「実りゆく」は、皆さまのご支援のおかげで、2020年10月2日から長野県、10月9日から全国にて順次公開することが決定いたしました。これは、一重に、携わって下さった方々、そして、応援してくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

映画「実りゆく」は、皆様もご存知の通り、一本の予告編から生まれた映画です。未完成映画予告編大賞という、未だ存在しない映画の予告を制作し、競う大会に出品した作品が、特別賞をいただき、その後本編の制作が決定し、今年の10月に公開が決定しました。こうして流れだけを見ると、非常に順風満帆に映画が生まれたように思われる方もいらっしゃると思いますが、映画が完成するまでには、とてつもないトラブルと苦労がありました。
プロジェクトはプロデューサー不在で始まり、撮影前にはロケ地を台風が直撃し、撮影中にはエキストラが集まらず、完成後にはコロナの禍に見舞われて…
その様は、雨や嵐を耐え抜き、立派に実ったりんごそのものでした。

公開まで後2ヶ月、「実りゆく」が、実るまでの記録を、ゆっくりとご紹介していきたいと思います。これから公開まで、どうか楽しみにしてください!
「実りゆく」監督
八木順一朗

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